**約100年前に岡山県倉敷市の貝塚から出土した頭蓋骨に、とがった道具で刺されたような形跡がある**。
概要
東京大学総合研究博物館に所蔵されている縄文時代前期（約6000年前）の頭蓋骨に、とがった道具で刺されたような形跡が発見されました。この頭蓋骨は約100年前に岡山県倉敷市の貝塚から出土し、東京大学の学生が資料整理中に発見しました。調査の結果、頭蓋骨には前頭部に楕円形の穴があり、鹿の角などとがった道具で近距離から突き刺された可能性が高いことが判明しました。また、他の三つの縄文時代の頭蓋骨にも同様の形跡が見つかっています。
背景
縄文時代は日本の新石器時代にあたり、約1万3000年前から約3000年前にかけて続いた時代です。この時代の人々は、漁撈や狩猟を中心とした生活を送っており、貝塚を中心とした集落を形成していました。縄文時代の人々は、弥生時代以降と比べると平和で暴力が少なかったと考えられてきましたが、この新発見はその見方を改める可能性があります。
縄文時代の人骨調査
東京大学の学生が資料整理中に発見した頭蓋骨は、約100年前に岡山県倉敷市の貝塚から出土したものです。この頭蓋骨をCTスキャンなどで調べた結果、鹿の角などとがった道具で近距離から突き刺された可能性が高いことが判明しました。また、他の三つの縄文時代の頭蓋骨にも同様の形跡が見つかっています。これらの調査結果は、弥生時代以降と比べると平和とされる縄文時代の人々にも暴力が存在していた可能性を示唆しています。
死後の儀礼の可能性
この頭蓋骨の調査結果は、弥生時代以降に見られる死体を損壊する儀礼的行為が、縄文時代にも存在していた可能性を示唆しています。研究者は、全国で見つかった縄文人骨に人為的な損傷の見落としがないかを調査していく予定です。
新発見の意義
この新発見は、縄文時代の人々の生活や文化について新しい知見を提供します。特に、暴力や死後の儀礼についての理解が深まり、縄文時代の歴史像が再評価される可能性があります。
関連するその他のニュース
最近の研究では、岡山県の縄文貝塚から出土した人骨が、サメの襲撃によるものであることが判明しています。これは、世界最古のサメの襲撃の記録です。