**日銀が追加利上げを今年秋までのどこかで決める見通し**。
概要
日本銀行(日銀)は、2024年7月30日から31日に開催される金融政策決定会合で、追加利上げの可能性について議論する見通しです。日銀は、物価が2%の目標に近づいている一方、消費が弱い状況にあるため、利上げのタイミングについて慎重に判断する必要があります。エコノミストの調査では、29%が今回の会合で追加利上げを行うと予想しており、94%がリスクシナリオとして今回の利上げもあり得ると回答しています。
背景
日銀は、経済・物価見通しが実現し、基調的な物価上昇率が上昇すれば金融緩和度合いを調整していくとしています。植田和男総裁は、6月の会合後の記者会見で、7月の追加利上げについて「その時までに出てくる経済・物価情勢に関するデータないし情報次第で、短期金利を引き上げて金融緩和度合いを調整することは当然あり得る」と発言しています。また、日銀は、国債買い入れの減額計画も同時に議論する予定です。
金融政策決定会合の議論
日銀の政策委員からは、7月の追加利上げを支持する声が上がる一方、物価上昇を加味した実質賃金が前年割れの状態が続き、消費の先行きに慎重な意見もあります。日銀は、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を議論し、2026年度の物価が2%付近になるとの見方が維持される公算が大きいです。
追加利上げのタイミング
日銀は、追加利上げの条件が整いつつあるとみられています。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、足元の円相場が円高方向に振れていることを踏まえ、日銀が利上げをしても為替レートとは無関係と説明できるため、利上げの絶好のタイミングだと指摘しています。一方、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、追加利上げは10月30日、31日の会合で決定されると予想しています。
国債買い入れの減額計画
日銀は、国債買い入れの減額計画を議論し、具体的な減額の規模やペースを決定する予定です。市場では、日銀の国債買い入れ額について、現在の月6兆円程度から2年後に月3兆円程度へ縮小されるとの見方がコンセンサスになっている模様です。
関連するその他のニュース
米国の連邦公開市場委員会(FOMC)も、7月31日から8月1日に開催される会合で、政策金利の動向について議論する予定です。FOMCの声明文では、未だ「高いインフレ(elevated inflation)」と表現されており、金利の動向に影響を与える可能性があります。