名古屋市を除く愛知県内の公立学校で「ラーケーションの日」が9月1日から順次導入されます。
概要
愛知県は、9月1日から順次、名古屋市を除く県内の公立学校で「ラーケーションの日」を導入します。この制度は、保護者が休みを取得する日に合わせて、児童生徒が自由に休む日を選択できるものです。最大3日までの休みを取得でき、家庭での学習や体験的な活動を推進する狙いです。
背景
「ラーケーションの日」は、愛知県の「休み方改革」プロジェクトの一環として生まれました。このプロジェクトは、県全体のワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上による地域の活性化を目指しています。総務省の調べによると、土曜日に働いている方が約45%、日曜日に働いている方が約30%おり、休みの日に子供と一緒に過ごすことが難しい家庭が少なくありません。この制度は、そうした家庭でも、平日の保護者が休みの日に、子供と一緒に学び、活動することができる日として創設されました。
詳細情報
「ラーケーションの日」は、公立の小中高校と特別支援学校が対象です。児童生徒は、保護者と相談して事前に学校へ申請し、欠席扱いにしないことができます。受けられなかった授業は、自習で補うことになっています。導入時期は、9月1日から順次各校で始まります。県教育委員会が作成した「保護者用リーフレット」も用意されており、保護者はこれを参考にして計画を立てることができます。
大村秀章知事は、「コロナ禍で働き方は変わった。コロナの出口が見えた今、休み方改革を進めたい」と述べています。この制度は、休日や観光需要の分散にもつながる狙いがあります。
専門家の見解
教育現場などからは、制度が新たな格差や教員の負担につながりかねないと疑問視する声もあります。名古屋市の坪田知広教育長は、「休みが取れる家庭と取れない家庭のコントラストが生まれ、公平性を欠く。いじめなどにつながる可能性もある」と述べています。
国際的な反応
この制度は、世界的に見ても新しい取り組みであり、特に日本のワーク・ライフ・バランスの改善に焦点を当てたものです。他国での類似の制度については、現在のところ特に報じられておらず、日本が先駆けとなった形です。
社会的影響
「ラーケーションの日」は、家庭での学習や体験的な活動を推進し、保護者と児童生徒の時間を増やすことが期待されています。また、休日や観光需要の分散にもつながり、地域の活性化にも貢献することが予想されます。しかし、教育現場での負担増加や新たな格差の問題も懸念されています。
今後の展開
「ラーケーションの日」は、9月1日から順次導入されます。将来的には、県全体のワーク・ライフ・バランスの改善に貢献し、地域の活性化を目指すことが期待されています。
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