国土交通省が自動車メーカー5社から型式指定申請で不正行為があったと報告。
概要
国土交通省は、自動車メーカー5社(トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキ)から型式指定申請における不正行為があったと報告した。調査の結果、5社が不正行為を行っていたことが確認され、現行生産車の出荷停止や立入検査が実施されることとなった。
背景
この問題は、ダイハツ工業や豊田自動織機での不正発覚を受けて、国土交通省が型式指定を取得している自動車メーカー85社に対して調査を実施した結果、不正行為が発覚したものである。調査は2024年1月に始まり、5月末までに5社から不正行為があったと報告があった。
国交省の調査結果
調査の結果、以下の不正行為が確認された。
- トヨタ自動車:6つの試験項目(前面衝突時の乗員保護試験、オフセット衝突時の乗員保護試験、歩行者頭部及び脚部保護試験、後面衝突試験、積み荷移動防止試験、エンジン出力試験)で不正を行っていた。特にエンジン出力試験では悪質な操作が行われていた。
- マツダ:現行生産車2車種について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換えを行っていた。
- ヤマハ発動機:現行生産車1車種について、騒音試験における不適正な試験条件での実施を行っていた。
- ホンダ:過去生産車22車種について、騒音試験における試験成績書の虚偽記載を行っていた。
- スズキ:過去生産車1車種について、制動装置試験における試験成績書の虚偽記載を行っていた。
自動車メーカーの反応
各社は公式サイトでお詫びや経緯などを掲載し、記者会見を開催して説明を行った。トヨタ自動車の豊田章男会長は、記者会見で「正直、残念な気持ち。ブルータスよ、おまえもかというところだ」と述べ、不正発覚を受けての心境を表現した。
影響と対策
国土交通省は、不正行為があった車種の出荷を停止し、立入検査を実施することとなった。また、ユーザーに対する丁寧な説明や対応を指示している。自動車メーカー側も、不正行為の事実関係を速やかに確認し、基準適合性を確認するための調査を実施することとなった。
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この問題は、自動車メーカーの品質管理や安全性に対する信頼性を揺るがすものであり、将来的には自動車産業全体に影響を与える可能性がある。