日銀総裁が追加利上げ「景気に強いブレーキかからない」と発言
日銀総裁が追加利上げ「景気に強いブレーキかからない」と発言
日本銀行の植田和男総裁は、7月31日の記者会見で追加の利上げについて「景気に強いブレーキかからない」と発言しました。この発言は、日銀が同日決定した政策金利の引き上げ(0.25%)に関するものです。植田総裁は、景気回復の見通しについて「ゆるやかに回復している」と説明し、賃金についても「春季労使交渉で前年を大きく上回る賃上げが実現した大企業だけでなく、中小企業でも賃金の引き上げが進んでいる」と述べました。
背景
日銀は、2013年から「黒田バズーカ」と呼ばれる大規模な金融緩和政策を実施してきました。この政策は、安倍晋三政権と一体となって景気浮揚を目指し、経済の上昇基調を演出してきました。ただし、この政策は、企業が潤沢な利益を労働者や投資に十分回さず、賃金が長らく思うように伸びなかったという問題もありました。
日銀の金融政策決定
日銀は、7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%に引き上げることを決定しました。これは、3月にゼロ金利政策を解除して以来の追加利上げです。また、日銀は、2025年度末までに長期国債の購入額を現在の半分に当たる月3兆円程度に減額する方針も示しました。
景気回復の見通し
植田総裁は、景気回復の見通しについて「ゆるやかに回復している」と説明しました。賃金についても「春季労使交渉で前年を大きく上回る賃上げが実現した大企業だけでなく、中小企業でも賃金の引き上げが進んでいる」と述べました。ただし、中小企業については、防衛的な賃上げが強いられている企業も多く、追加的な利上げに耐えられるのかどうかについては、注意が必要であると指摘されています。
物価安定目標の達成
日銀は、物価安定目標の達成について、経済・物価がこれまでの見通しに沿って推移していることを踏まえ、金融緩和度合いを調整することが適切だと判断しました。植田総裁は、為替の円安で輸入物価が再び上昇に転じ、物価の上振れリスクに注意する必要があることも考慮したと語りました。
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