トラック運転手の1カ月の時間外労働の上限が平均80時間に規制強化。
概要
2024年4月から、トラック運転手の時間外労働の上限が強化され、1カ月の時間外労働の上限が平均80時間に制限されることになった。この規制強化は、労働基準法の改正に伴うもので、運送業界における長時間労働の是正を目的としている。
背景
日本の運送業界は、人材不足や長時間労働が深刻な問題となっていた。特にトラック運転手は、長時間の運転や荷物の積み卸しを行うため、労働時間が長く、健康被害のリスクが高かった。このような状況を受けて、政府は労働基準法を改正し、運送業界における長時間労働の是正を図るための規制を強化することにした。
トラック運転手の労働時間規制
トラック運転手の労働時間規制は、以下の通りである。
- 1日の拘束時間は、13時間を超えないことが原則とされる。
- 運転時間は、2日平均で1日9時間以内とする。
- 1年の拘束時間は、3300時間以内、月では284時間以内とする。
- 1日の休息期間は、11時間以上を基本として、9時間を下回らないと定める。
時間外労働の上限
時間外労働の上限は、以下の通りである。
- 通常の時間外労働の上限は、月45時間、年360時間以内とする。
- 特別な事情がある場合、年960時間以内まで時間外労働を認めることができる。
- 休日労働も含めて、年960時間以内とする。
改善基準告示の改正
改善基準告示は、トラック運転手の労働時間規制を具体化するための指針である。この告示は、2024年4月から改正され、以下の内容が追加された。
- 1ヶ月の時間外労働の上限を平均80時間に制限する。
- 特別な事情がある場合、年960時間以内まで時間外労働を認めることができる。
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この規制強化に伴い、運送業界では、人材不足や長時間労働の是正が進められている。また、建設業や医療業でも、長時間労働の是正が進められており、労働基準法の改正が広く適用されるようになっている。