米国防長官が「9/11」主犯格との司法取引を破棄。
概要
米国防長官ロイド・オースティンは、2001年の9月11日同時多発テロ事件の主犯格とされるハリド・シェイク・モハメドら3人との司法取引を破棄したと発表した。この決定は、7月31日に国防総省が発表した司法取引の合意内容を覆すもので、死刑を免れる見通しだった被告らに対し、再び死刑が求刑される可能性が復活した。
背景
2001年9月11日、世界貿易センタービルや国防総省が襲われた同時多発テロ事件は、イスラム武装勢力アルカイダが計画し実行したとされる。事件により、2976人が死亡し、世界中で大きな衝撃を与えた。被疑者らは、キューバの米海軍グアンタナモ基地に収容されており、裁判が行われていない状態にあった。
米国防長官の決定
オースティン国防長官は、7月31日に承認された司法取引の合意内容を破棄する決定を下した。この決定は、エスカリエ退役准将が担当していた司法取引の監督権限を取り上げ、自らの権限に基づいて行われた。長官は、事案の重要性を考慮し、最高権限を持つ自分が判断を下すと述べた。
司法取引の破棄
破棄された司法取引は、被告らが罪を認める代わりに死刑を免れる内容で、検察側が死刑を求刑しないことへの同意と引き換えに、被告たちは有罪を認めることになると伝えられていた。破棄により、被告らに対する死刑の求刑が復活する可能性が高まった。
反応と影響
この決定に対し、遺族の一部や共和党議員らから強い反発の声が上がっている。被告らの弁護士は、国防総省の唐突な方針転換にショックを受けていると述べた。また、裁判の進行がさらに遅れる可能性も指摘されている。
関連するその他のニュース
この決定は、同時多発テロ事件の裁判の進行に大きな影響を与える見通しである。また、米国政府のテロ対策や司法政策にも影響を与える可能性がある。