「佐渡島の金山」がユネスコの世界文化遺産に登録されることが決まった。
概要
「佐渡島の金山」がユネスコの世界文化遺産に登録されることが決まった。新潟県佐渡市にあるこの金山は、16世紀から19世紀にかけて機械を用いない伝統的な手工業で金が生産され、17世紀前半には世界の金の生産量の10%を占め世界最大の金の生産地になった。ユネスコの世界遺産委員会は、インドのニューデリーで開催された第46回世界遺産委員会でこの決定を下した。
背景
「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録運動は、1997年に市民団体が始めた。新潟県と佐渡市が協力して、ユネスコに推薦するよう政府に働きかけていた。政府は、文化庁の審議会が2021年12月に推薦候補に選定したが、韓国の反発もあり、慎重に進められてきた。
世界文化遺産登録決定
ユネスコの世界遺産委員会は、27日に「佐渡島の金山」を世界文化遺産に登録することを全会一致で決定した。この決定を受け、佐渡市長は臨時記者会見を開き、地元の歓喜を表した。
佐渡島の金山の歴史
「佐渡島の金山」は、西三川砂金山と相川鶴子金銀山の2つの資産で構成される。西三川砂金山は佐渡で最古の砂金山で、独特な手法「大流し」がとられていた。相川鶴子金銀山は江戸時代から本格的な開発が始まり、国内最大の金の産出量を誇った。
韓国の反発と歴史展示
韓国は、「佐渡島の金山」が朝鮮半島出身の労働者が強制的に働かされた場所であると主張し、反発していた。政府は、ユネスコの諮問機関「イコモス」の勧告を受け、相川郷土博物館で朝鮮半島出身者が徴用された歴史などに関する展示を行うことにした。
日本の世界遺産総数更新
「佐渡島の金山」の登録により、日本の世界遺産の総数は26件となった。文化遺産21件、自然遺産5件である。
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「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録決定は、地元の新潟県と佐渡市の長年の努力の成果である。佐渡市長は、登録決定を受け、地元の歓喜を表した。