「KP.3」という新しい変異株が流行の中心である。
概要
「KP.3」と呼ばれる新しい変異株が新型コロナウイルスの流行の中心となっています。この変異株は、オミクロン株の亜系統「JN.1」の子孫株であり、世界各地で急速に広がっています。特に日本では、2024年5月以降にKP.3株の割合が70.4%に達し、6月中旬には81.1%にまで上昇しています。
背景
新型コロナウイルスは、2023年5月に感染症法の分類が第2類から第5類に引き下げられ、規制が緩和されました。これにより、日常生活でのマスクの着用が減少し、感染症に対する恐怖心も薄れつつありました。しかし、新型コロナウイルスは変異を繰り返しており、決して感染症が収束したわけではありません。
KP.3変異株の特徴
KP.3変異株は、従来の主流株を超える伝播力と、過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高いことが特徴です。また、感染力がやや強いと報告されています。この変異株は、スパイクタンパク質の456番目のアミノ酸がフェニルアラニン(F)からロイシン(L)に、346番目がアルギニン(R)からトレオニン(T)に置換された変異をもつことから、「FLiRT」と呼ばれています。
KP.3の流行状況
KP.3変異株は、世界各地で急速に広がっています。特に日本では、2024年5月以降にKP.3株の割合が70.4%に達し、6月中旬には81.1%にまで上昇しています。沖縄県では、報告が開始されてから最も多い新規入院患者数を記録しており、すでに第9波や第10波を追い越す勢いで感染が拡大している可能性も考えられます。
対策と注意点
KP.3変異株の流行に対しては、換気や手洗いを徹底し、高齢者はマスクの着用を徹底することが重要です。また、症状が出た場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されています。
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